新里明士は1977年千葉県生まれ。現在は岐阜県土岐市を拠点に活動。透過性の高い白磁に穴を開け、透明の釉薬を埋めて焼成した代表作「光器」をはじめとする独創性の高い陶磁を手掛ける。近年では本作の焼成の過程で生まれる、傷やひび割れを起点とする新たな造形の可能性を探求し、破綻の中に生じる美しさに焦点を当てた作品を発表。光を帯びたような繊細な姿が特徴的な新里の作品は、アメリカ、イタリア、ルーマニアなど海外の多くの展覧会にも出展され、高い評価を得ている。近年の主な個展に「translucent transformation」(Yutaka Kikutake Gallery、東京、2022年)、「均衡と欠片」(Yutaka Kikutake Gallery、2021年)ほか、主なグループ展に「未来へつなぐ陶芸−伝統工芸のチカラ展」(パナソニック汐留美術館、東京、2022年)、「近代工芸と茶の湯のうつわ−四季のしつらい−」(国立工芸館、石川、2021年)、「No Man’s Land−陶芸の未来、未だ見ぬ地平の先−」(兵庫陶芸美術館、2021年)、「DOMANI・明日展 2021」(国立新美術館、東京、2021年)など。主な受賞歴に、2005年イタリアファエンツァ国際陶芸展新人賞、2008年パラミタ陶芸大賞展大賞、国際陶磁器展美濃審査員特別賞、2009年菊池ビエンナーレ奨励賞、2014年MOA岡田茂吉賞新人賞、2021年2020年度日本陶磁協会賞。
主な所蔵先に、Minneapolis Institute of Art(アメリカ)、茨城県陶芸美術館、Palamita Museum(三重)、MOA美術館(静岡)、Faenza Ceramic Museum(イタリア)Anadole University Museum(エスキシェヒル、トルコ)。