飯田竜太と田中義久の二人からなるアーティストデュオ。2007年よりNerhol(ネルホル)を結成し、現在は東京を拠点に活動。書物やそこに印された文字、世界に存在する図像の定型を異化するような探求にはじまり、2011年には数分間かけて撮影した200カット以上の全て異なるポートレートを束ね、それに彫刻を施した立体的な肖像作品で大きな注目を集める。日常生活において見落とされがちである有機物が孕む多層的な存在態を解き明かす試みがその実践においてなされている。

Nerhol(ネルホル)は、飯田竜太と田中義久の二人からなるアーティストデュオ。それぞれの活動を展開していた二人は、現代においていかにして問題を提起し、人に伝えていくかという方法論において共通項を見出し、2007年よりNerholとして活動を開始する。書物やそこに印された文字、世界に存在する図像の定型を異化するような探求にはじまり、2011年からは数分間かけて200カット以上撮影をした全て異なるポートレートを束ねて彫刻することで生み出される歪んだ人物像の立体作品を発表し、大きな注目を集める。その後、国内外の美術館やギャラリーの展覧会への参加を重ねるなか、街路樹、動物、水、あるいはネット空間にアップされた画像データや記録映像等、様々なモチーフを選びながら、それらが孕む時間軸さえ歪ませるような作品を制作。そこでは一貫して、私たちが日常生活を過ごすときには見落とされがちな有機物が孕む多層的な存在態を解き明かすことが試みられている。

 

近年の主な個展に「水平線を捲る」千葉市美術館、千葉、2024年)、「Tenjin Mume Nusa」太宰府天満宮宝物殿、福岡、2024年)、「Beyond the Way」レオノーラ・キャリントン美術館(サン・ルイス・ポトシ、メキシコ、2024年)、「Affect」第一生命ギャラリー、M5 GALLERY、東京、2023年)「critical plane」Yutaka Kikutake Gallery、東京、2021年)「Interview, Portrait, House and Room」Youngeun Museum of Contemporary Art、韓国、2017年)、「Promenade」金沢21世紀美術館、石川、2016年)、主な所蔵先に、Foam Museum、(アムステルダム)、Fundación AMMA(メキシコ)、Youngeun Museum of Contemporary Art(韓国)、太宰府天満宮(福岡)ほか。

 

飯田は、1981年静岡県に生まれ。2004年日本大学芸術学部美術学科彫刻コースを卒業、2014年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術専攻修了。現在は東京を拠点にしている。

 

田中は、1980年静岡県生まれ。2004年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科を卒業後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科在学中。東京を拠点に活動を続ける。