小左誠一郎は1985年静岡県生まれ。〇△□などの最小限かつ根源的な要素で構成されるモチーフを描いた抽象絵画に取り組む。キャンバスや絵の具といったメディウムと真っ向から向き合う制作過程は、恣意性と偶然性、自律性と他律性についての考察を促し、奔放な絵の具は絵画空間の深淵と外界を往復する。近年では、マスキングテープで囲んだ矩形の中を塗る表現形式を開発し、世界に新たな厚み(陰影)を与え続けている。また絵画的実践と並行し、俳句にも取り組んでいる。
近年の主な個展に、「百合圏」(Yutaka Kikutake Gallery、東京、2023年)、「UPO」(Yutaka Kikutake Gallery、2020年)、「谺せよ、UPO」(Yutaka Kikutake Gallery、2018年)、「SLASH / square」(東京オペラシティ・アートギャラリーgallery5、2014年)など。主なグループ展に、「都美セレクション 絵の辻」(東京都美術館、東京、2023年)、「師岡制作所を記録する-師岡制作所の10年と周辺の作家たち」(師岡制作所、埼玉、2022年)、「めぐるりアート静岡 2019」(静岡市美術館、2019年)、「Spring Fever」(駒込倉庫、東京、2017年)、「NEW VISION SAITAMA迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館、埼玉、2016年)、「絵画の在りか」(東京オペラシティ・アートギャラリー、2015年)、「JAPANESE PAINTING NOW!」 (Kunstverein Letschebach、カールスルーエ、2014年)がある。