Yutaka Kikutake Galleryでは、2月24日(金)から3月25日(土)まで、平川紀道の個展「datum」を開催いたします。“datum” は、平川が Kavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構)における滞在制作を経て開始した、高次元空間における美をテーマとした映像と音響によるプロジェクトです。2016年10月に豊田市美術館にてプロトタイプが展示され、今年の2月16日から19日にかけては、札幌のモエレ沼公園雪倉庫でオーディオヴィジュアル・インスタレーションが公開されています。本展では、このプロジェクトからプリント作品を展示します。インスタレーションと同様に、ムービー・データを素材とし、その最小単位であるピクセルを、X,Y,R,G,B,Tの6次元ユークリッド空間上の点として扱い、同空間で回転することによって、2次元平面における曲線と色調におけるグラデーション、時間軸における連続性が、相互に変換可能となります。データ自体を破壊することなく生み出されるその視覚対象は、現実の意味を引き剥がされたデジタル・データの、数値の配列としての本性が生み出すものと言うことができるでしょう。
今夏に開催される札幌国際芸術祭2017では、平川がアーティスティックディレクターを務める宇宙の文化芸術活用を推進するARTSATプロジェクトが、札幌市資料館を拠点に継続的に活動するSIAFラボとコラボレーションし、モエレ沼公園会場を舞台に新作「Sculpture to be Seen from Space, Improvisation to be Heard from Space. 宇宙から見える彫刻、宇宙から聞こえる即興演奏」を発表予定です。
平川紀道は1982年生まれ。コンピューター・プログラミングを用いた映像音響インスタレーションを中心とした作品群を国内外の美術展、メディア・アート・フェスティバルで発表。アルス・エレクトロニカ2008準グランプリ他受賞多数。池田亮司、大友良英、三上晴子らの作品制作への参加、Typingmonkeysとしてのライブ・パフォーマンスなど、活動は多岐にわたります。