Yutaka Kikutake Galleryでは、2月15日(土)から3月14日(土)まで、三瓶玲奈の個展「色を見る」を開催いたします。2016年の「投影」、2018年の「水の重さ、滲む光」に続き3回目の個展となる本展は、植物をモチーフとした新作ペインティングで構成されます。
三瓶は2019年の夏にヨーロッパ各地をまわりながら、紙や小さな板へのスケッチを多数制作しました。前回の個展(「水の重さ、滲む光」2018年)にあたっては、自身にとって原風景となった日本の各地をスケッチしてまわり、その地で感じた光と湿度の記憶をもとに絵画を制作しました。ヨーロッパ各地でのスケッチを経て、そうした試みはより厚みを増す一方で、絵画を生み出す絶対的な条件といえる「色」そのものをどのように扱い、キャンバス上で絵画を立ち上げていくのかという絵画史上も多くの画家たちが取り組んできたテーマにも真摯に向き合い続けています。
事物は光に照らされることで色を持ち、視覚的に把握可能なものとなりますが、その光の在り様も決して安定したものではありません。植物における葉や実の色も、どのような光に照らされるかによって揺らぐ存在であり、それらをキャンバスに描くときに用いられる色も多くの可能性に開かれたものであるはずです。そうした考察を経た結果として、抽象と具象の間を行き来しながら描かれる作品は、みずみずしい筆致とともに絵画の生命力を表しているようでもあります。三瓶玲奈の最新の成果を是非ご覧ください。
三瓶玲奈は3月12日から3月30日まで上野の森美術館で開催される「VOCA展2020 現代美術の展望―新しい平面の作家たちー」にも出展いたします。併せてご覧ください。