Yutaka Kikutake Galleryでは、10月20日(木)から12月3日(土)まで、三瓶玲奈個展「投影」を開催いたします。Yutaka Kikutake Galleryでの初めての個展となる本展では、三瓶の最新のペインティング作品8点を展示いたします。
三瓶玲奈は、1992年愛知県豊田市生まれ。2015年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、現在は東京芸術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻に在籍しています。三瓶の絵画は、抽象と具象という両極を行き来するようにして描かれます。作家の身近に存在しているもの、作家が経験したこと、作家の周囲で立ち上がる現象―それらが、一見簡潔に見えながらも深く練り上げられた絵筆のストロークと絵の具のバランスによって描き出され、あるときは抽象的な、あるときは具象的な作品へと結実します。
今回発表される作品を通じて三瓶は、事物を照らし出し、存在を多層的に知らしめるために不可欠の要因である光を、いかにしてキャンバス上に再び映し出すかということの実践を展開しています。光の照射によって変化する知覚を表現した絵画は、歴史的にも様々な試みが刻まれてきましたが、三瓶の作品では、光という不確かな存在を通してこそ知覚できる事象が、魅力的なストロークによって探求されています。絵画が成り立つ条件への深慮を感じさせつつ、独特の作品世界へと惹きこむ三瓶の作品をどうぞご覧ください。